定年前の会社員がジェイソン亜流で全力投資

厚切りジェイソンの投資方法をベンチマークとして、定年までもう少しの会社員が貯金ほぼ全額を投資しています。

確定拠出年金がマネーリテラシーを高めた話3

2012/3月に会社で行われた、確定拠出型年金の説明会での話の続きです。

説明会も最後になり、講師の銀行のお姉さんは「何か質問はありますか?」と言いました。
説明会の出席者は300人くらいいましたが、誰も質問しません。
説明会は3時間もあり、慣れない金の話を長時間聞かされて、みんな疲れきっていたんだと思います。

しかし、自分は我慢できず、手を挙げて質問しました。
「2つ質問があります。
 まず、先進国株式で100%運用したほうが、利益が最も出そうに見えます。
 しかし、他の商品にも配分しなければいけない理由は何ですか?
 次に、掛金は会社が決めるという話ですが、自分の給料から掛金を増やすことはできないものでしょうか?」
2つ目の質問は、「これは儲かりそうだ」という直感が働いたためです。

手数料格安の先進国株式インデックスに加え、商品以外の口座手数料等ゼロ、商品の変更手数料ゼロ、購入済み商品の変更さえも手数料ゼロと聞いて、俄然興味が湧きました。
なお、後でわかったことですが、この時すでに、まさに自分の希望通りの「マッチング拠出」という制度はありました。
しかし、2024/3の今現在でも、この制度をウチの会社は認めていません。
まったくケチな会社です。

この時のお姉さんの答はこうでした。
「確かに今まで先進国株式は好調でしたが、これからの未来はわかりません。
 だからリスク分散のため、他の商品にもバランスを考えて配分する必要があります。
 掛金の増加は、今はできませんが、希望者が増えれば可能性はあると思います。」
全然納得できる答ではありませんでしたが、これ以上質問しても、早く説明会が終わってほしい他の出席者に迷惑です。
自分は黙りました。

なお、この後、もう一人質問した人がいました。
年は自分より少し年上、50代前半と思われるおじさんです。
「配分は自分は決めろという話ですが、なぜ会社で決めてくれないのでしょうか?」

自分はその時、「なんでこんなバカな質問をするんだろう?決まったことを質問してどうする。それに銀行のお姉さんに聞く話じゃないだろ。」と思いました。

しかし、これを書いている間に、おじさんの質問の意図が今になってわかりました。

おそらく、おじさんはこう言いたかったのだと思います。

「こんなくだらないマネーゲームをしたくないからこそ、この会社に入ったのに、こんなことをやらせるなんておかしくないか?」と。

マネーゲームをしない会社だから入社したというのは、自分も同じだからです。

前のめりの質問をした、自分に対する抗議の意味もあったと思います。

上で「マッチング拠出を認めないケチな会社」と書きましたが、ケチではなく、こんな風に社員の多くが資産形成、投資に興味が無いからなんでしょうね。

自分は、少なくとも会社の中では少数派です。

ちなみに、このとき銀行のお姉さんは「年金資金の自己運用は、日本以外の先進国では常識になりつつあること、日本でも確定拠出年金制度への移行は多くの会社で進められていること」なんかを流暢に説明していました。

この辺の説明のうまさは、さすが銀行員だなあ、なんて思いました。

 

さて、説明会が終わって家に帰ってから、もう一度運用をどうするか考えました。

やっぱり、どう考えても先進国100%運用が正しい気がします。

定年まで12年。

それだけあれば、途中で多少の浮き沈みはあるにせよ、12年後の運用成績は次の順になるはず。

先進国株式>日本株式>先進国債券>日本債券>定期預金。

このうち、日本株式の順位は落ちる可能性もあるが、先進国株式のトップは間違いないだろう。

だったら、なぜ先進国株式100%じゃダメなんだろう?

単一運用だろうが分散運用だろうが、銀行の儲けは大して変わらないはず。

では、自分の気付かない落とし穴が何かあるんだろうか?

 

今、投資を始めてから2年。

投資信託のことなら多少は勉強したんで、今なら分散運用を勧める銀行の理屈はわかります。

おそらく、この分散運用プランは、退職金を手にしたシニア向け投資プランをそのまま使っているだろうということ。

つまり、20年、30年という長期運用後の結果を考えたプランではなく、毎年毎年、マイナスにならないことを優先したプランであること。

そしてもっと重要なことが一つ。

分散運用プランで複数の商品を買わせれば、その中にボッタクリ商品を紛れ込ませやすいということ。

確定拠出年金にはボッタクリ商品はありませんが、分散投資させれば、のちのち定年退職金が入った時に、ボッタクリ商品を受け入れやすい心理状況は作り出せます。

 

でも12年前はこんなことわかりません。

1週間ほど悩みました。

 

すみません、また長くなってしまったので、続きはまた次回。