野村證券から、また電話がありました。
先日メールで送ってきた、ライフプランシミュレーションなるものを説明してくれるためです。
前回電話してきたお姉さんが開口一番、「今日はジョウセキのAも同席したいのですが、よろしいでしょうか?」と聞いてきました。
自分は「ジョウセキってなんだ?」と思いつつ、「はあ」と気のない返事をすると、すかさず「Aと申します。よろしくお願いします。」と野太い男性の声が返ってきました。
「これは自分の質問に回答する気だ!」
ニブイ自分でも、さすがにすぐに気付きました。
「ジョウセキ」とは「上席」と書くのだろう、ということも。
さて、最初はライフプランシミュレーションの説明から。
お姉さんが説明して、上席さんがところどころ補足の質問を自分にしてくるのですが、自分は上席さんの声に、すっかりうれしくなってしまいました。
上席さん、声から想像するに40代。
そして言葉は丁寧なのに、すごく圧が強い。
まさに、自分が想像する「野村の証券マン」通りの声なんです。
「この人、絶対昔、手に電話をガムテープでぐるぐる巻きにして、立ったまま営業電話やらせられたな」
とか、
「この人、さては部下にパワハラやって、法人営業からこの部署に左遷されたな」
とか、電話の途中でも想像してしまったくらいです。
言葉を交わすことなど一生無いだろうと思っていた、「野村の証券マン」が話してくれるのがうれしくて、「楽天証券で全力投資」以外は、なんでも丁寧に低姿勢で回答しました。
しかし、丁寧に答えた分、後から考えると、投資の初心者じゃないことはバレてしまったかもしれません。
例えば「コア・サテライト戦略」という言葉が上司さんから出ると、「その用語知っています。コアは90%でサテライトは10%以下にしましょう、とか言うやつですよね?」とか言っちゃったりしてしまったので。
あ、でも自分、投資を始めてからまだ1年8か月ほどなので、初心者でもウソにはならないと思います。
さて、ライフプランシミュレーションの後は、いよいよ自分の質問への回答です。
1.と3.は上席さんが、2.はお姉さんが回答してくれました。
1.
今から20年間投資を続ける場合、最も利益となる商品は何でしょうか。
途中の変動は気にしません。
私はeMAXIS Slim S&P500と思っています。
御社の推奨する商品は何でしょうか。
→1本だけに投資するという話であれば、答えないし、答えられない。
投資はリスク回避のため、複数種類の商品に分散しなければいけない。
コア・サテライト戦略のサテライト部分の投資として回答する。
S&P500は安定しているが、20年あればNASDAQが有望、あとはインド株も有望。
2.
御社のホームページで投資信託を検索してみましたが、信託報酬率の表示が無いのが気になります。
信託報酬率は、投資側にとって最も重要な情報と私は思っていますが、表示しないのはどのようなお考えからでしょうか。
→商品名の少し下にある、PDFファイルの赤いボタンを押すと、詳細な資料が開く。そこに書いてある。意図してわかりにくくしているわけではない。
3.
御社の商法は、デパートのようだと感じています。
つまり、一等地に店舗を構え、手厚いサービスで、富裕層に、高い商品を売る、という点で同じに見えます。
この商法は、今後も変わりないと思ってよいでしょうか。
→個人客はネット&コール部の対応が中心。来店も可能だが、予約制なので今は少ない。富裕層だけ相手ということはない。安い商品もある。
とまあ、だいたい予想通りの回答が返ってきました。
しかし、1.のところで自分が「厚切りジェイソンは、著書の中で1本だけの投資を推奨していますが?」と聞くと、上席さんは「読んでません」と答えました。
その時は気付きませんでしたが、後から考えると、これはどう見てもウソですね。
だって、ジェイソンの本は去年60万部を売って、ベストセラーの1位とか3位になった超ヒット本ですよ?
それを、証券会社の、それも個人営業部署の、それも管理職が読んでいない?
もし本当だったら、職務怠慢どころか、職務放棄に近いです。
実際は「読んでおり、確かに正しい。しかしその話をすると野村の不利益になるので、一切触れてほしくない。」といったところでしょう。
しかし、この回答はある意味、自分にとっては清々しいくらいですね。
「読んでいない」という、厚切りジェイソンへの全否定は、その信奉者である自分に対しても全否定だからです。
ならば、野村證券との付き合いは一切できないと、気持ちよく断れるからです。
このときは、話の流れで、また次回もあるみたいな話になってしまいましたが、次こそはちゃんと断るようにします。
自分も現役の社会人。相手にムダな時間使わせたら申し訳ない、という気持ちはあります。